偏差値62の高校を卒業して一浪して自衛隊の採用試験を受けたが4回連続で落ちた話

自衛隊の採用試験は一般にそこまで学力を有していない者でも受かることが出来ます。言い方を変えれば馬鹿でも受かります。いや、確約はしませんが。しかし私は偏差値62の、地元では進学校と呼ばれる高校を卒業したにもかかわらず自衛隊の採用試験に落ちました。それも4回も。なんでなんでしょうね。

 

 

何故自衛隊の採用試験を受験したのか

タイトルにある通り、私は偏差値62の地元では進学校と呼ばれる高校を卒業しました。進学校と呼ばれるだけあって就職者は毎年ほぼ0で、数年に1人いるかいないか、そんな感じで卒業すると学年のほとんどが大学やらなんやらに進学します。当然就職者向けのカリキュラムなんて存在せず、進学が前提のカリキュラムで授業が進行していました。こうやって見るとやはり進学校っぽいなあと今更になって思います。さて、そんな環境に身をおいていたのに関わらず、何故進学せずに、高卒で就職、しかも所謂浪人という形になってしまったのか。それは自分の金で大学に進学するためです。高校在学中の私は典型的な落ちこぼれで、大して勉強もせず、学力的な実力が全く無いにもかかわらず、高望みばかりして偏差値の高い大学ばかりを目指していました。(こういうのを眼高手低と言うらしい)偏差値の高い大学を目指していたのにもそれなりに理由がありまして、ただ偏差値とかネームバリューといったものだけに価値を見出して進学を希望していたわけではありませんでした。(じゃあ何故勉強しないんですか???まあ、アホなんでしょうね)まあ、そんな感じで高3になって受験生になるわけですが、今まで怠けてきたツケが回ってきてまあキツイのなんの。(まあ、自業自得)完全に悪いのは自分なんですが、精神的に不安定になりました。これが高3の秋。受験生ならまああり得るよねってくらいのものだったので、まさかこれが自分の将来に影響するなんて当時は思ってもいませんでした。で、まあセンター試験を受けるわけですが結果がよろしくなく(まあ当然)、いろいろ考えた結果二次試験は出願しないで就職しよう!!となりました。やりたいことのために妥協したくないし、かと言ってそれで親に迷惑をかけるわけにもいかないなと。まあ、親に浪人の費用や大学の学費を払ってもらうということは、親に生殺与奪の権を握らせているみたいで嫌だなってのがかなり大きいんですが。で、じゃあどこに就職するかということになるんですが、公務員で比較的採用試験が簡単で、しかも衣食住が保証されてるということから陸上自衛隊にしました。実は小学生の頃あたりは自衛官になりたかったんですよね。だからここは割とすぐに自衛隊に入ろうと決心しました。自衛隊の自由が制限されるという点も、仕事しながら受験勉強することを想定している自分にはちょうど良さそうでしたしね。

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鬼滅の刃、見たこと無いんですけどね

 

実際に自衛隊の採用試験を受験してみて

まず、自衛隊の採用試験はたくさんありますが、ここではそこについては特に触れません。(だって本当に多いんだもの)その中で私が受けたのは一般曹候補生採用試験と自衛官候補生採用試験と呼ばれるものです。一般曹候補生採用試験が年2回の募集、自衛官候補生採用試験が年間を通じて募集しているものになります。本命は一般曹候補生試験で、自衛官候補生採用試験は滑り止めという感じで受験しました。試験の難易度は一般曹>自衛官候補生って感じです。一応公式ではどちらも筆記試験は高卒程度の難易度とされていますが、自衛官候補生の方は中卒程度の難易度になっていました。しかし、私が受けた年(2020年)から自衛官候補生の筆記試験の出題範囲が変わり、高卒程度の難易度になりました。また、一般曹も高卒程度の難易度になってはいますが、出題範囲は国語総合、数学Ⅰ、コミュニケーション英語Ⅰ、作文でぶっちゃけそこまで難しくはありません。試験内容は、自衛官候補生が筆記試験、口述試験、適性検査、身体検査。一般曹は一次試験が筆記試験及び適性検査、二次試験が口述試験及び身体検査です。筆記試験の出来が合否の大半を分けるらしいです。あとは身体検査もその一つですが、健康であればまあ問題ないです。健康であれば。内容的には健康診断の上位互換みたいなものです。面接は普通に受け答えが出来れば大丈夫っぽいです。適性検査はパーソナリティ診断みたいなものです。これで落ちることはほぼないらしいです。ですので自衛隊の採用試験で落ちるのは筆記試験の出来が悪かった場合がほとんどで、落ちてしまったらまず筆記試験が駄目だったんだと考えます。(試験の結果は開示請求を行わない限り知らされない)しかし、私は偏差値62の進学校と呼ばれている高校を卒業した人間です。数学なんて高1の段階で数学Ⅱまでやっていたようなところです。国語総合、数学Ⅰ、コミュニケーション英語Ⅰなんて高校でやることの序盤中の序盤が出題範囲の筆記試験で落ちるわけがありません。だとしたら身体検査しかないでしょ…… 試験結果の開示をしていないので100%とは言えませんが、ほぼ間違いなく身体検査で落ちました。

 

1,2回目の受験

先にも述べましたが、私は本命は一般曹候補生試験で、自衛官候補生採用試験は滑り止めという感じで受験しました。ですので、一般曹と自衛官候補生とで1,2回と数えています。この1,2回目の受験ですが、某ウイルス感染症の影響で当初の試験日程よりも2ヶ月ほど遅れて実施されました。まあ、延期されたからってどうってことはなく、むしろ試験まで時間があったためそこまで筆記試験の勉強もせず遊んでました。筆記試験対策は友人から譲り受けた自衛隊の採用試験用の問題集みたいなものを使いました。これです↓↓↓

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まあ、新しく覚えることもないのでただ解いて演習してました。あとは漢検の問題集やチャートを解いたりしてました。まあ、そこまで大したことはしていません。日程的には自衛官候補生の方が先でした。通常は自衛官候補生の筆記試験と適性検査を一般曹の一次試験と同じ日に行うのですが、このときは某ウイルス感染症の影響なのか通常通りの試験日程ではなかったみたいです。まあ、仕方ないね? さて、試験の話になりますが、試験に臨む前に出願の段階で身体検査に必要な問診票というものを書かなければなりません。ここで、もしかして落ちるんじゃないかという懸念要素にぶち当たります。それは精神科や心療内科に通院歴があるかという項目で、ガッツリ通院歴があったことです。精神疾患の既往歴があるのはアウトなのは前々から知っていましたが、まさか通院歴があるだけでもアウトっぽいなんて…… しかも、心療内科でもアウトなのかもしれんのか…… 自分の場合は病的なものではなかったのでそこまで問題にならないと思っていたのですがね。でも、これで不合格にするとは限らないし、嘘を書くのはよくないと思い(不幸なことに根は真面目であったので。所謂真面目系クズです)、通院歴があるが健康状態に問題はない旨を書いて提出しました。まあ、これは今思えばそこまで影響してないかもと思っていて、問題の根幹は自傷の痕があったことです。「ある時ふとリストカットってもしかして痛くないのでは?」という考えが頭に浮かび、あろうことか実行してしまいました。自傷といえばそうですが、精神的に重篤な状態にある者がする自傷、「死」への接近ではなく、あくまで興味本位、知的好奇心を満たすためにやったことなのですが、社会的にはリスカすなわち精神病んでる、自殺願望があるみたいに見られてしまうので何となく後ろめたい気持ちになってしまったんですね。まあ、この2つが身体検査における懸念となりました。そして試験本番、まずは自衛官候補生の試験になるんですが、筆記試験、適性検査、面接は多分問題なく終わりました。で、身体検査ですが、腕の傷痕について聞かれ、ああヤバイなと思いながら「猫に引っ掻かれた」と答え、問診で精神科に通院歴があることについて聞かれ、「今はなんの問題もない」と答えました。う〜ん、この。まあ、落ちるとすれば身体検査が原因でしょうねという感じ。そんな感じで自衛官候補生の試験は終わりました。本命である一般曹の一次試験は筆記試験と適性検査だけだったので問題なく合格しました。一般曹と自衛官候補生を併願していると、自衛官候補生で身体検査を受けたからということで一般曹の二次試験の身体検査が免除されます。自衛官候補生で身体検査受けて何か問題があれば一般曹の二次試験で再検査ということになります。まあ、案の定引っかかりました()ここで正直に書いても駄目なんやなという社会の非情さを目の当たりにし、問診票には堂々と嘘を書きました。精神科に通院歴などないと。これで流石にイケるんじゃないかな、そうであってくれと思いながら二次試験を受けて最終合格まで待つわけですが、結果は不合格。ふざけんなと。最初から精神科に通院歴なんかないと嘘を書いていれば…...と思いました。どうやらこの社会は正直者が馬鹿を見るようです。通院歴くらい良くないか、このストレス社会ではとか考えてしまいます。これが1,2回目の受験でした。

 

3,4回目の受験

1,2回目のときと同じ流れなんでそこまで書くことはありません。自衛隊の採用試験くらい受かるだろとか思っていたのに敢え無く撃沈。でも自分で学費を稼ぎたいし、他の道(自衛隊以外)なんて考えてなかったし、また募集があったのでとりあえずまた受けることにしました。前回の最終合格発表から試験日まで一週間ちょっとしかなかったので筆記試験の勉強はそこまで出来ませんでしたが、まあ普通に何とかなりました。一般曹の一次試験も無事受かったのですが、前回と同様の流れで自衛官候補生の身体検査で引っかかって、一般曹の二次試験で再検査になりました。当然問診票には精神科に通院歴があることは書いていません。やはり最初の受験の時に通院歴があると書いてしまったのがやらかしだったみたいですね。それに4回も受けてると流石にマークされてそう。ちなみに自衛官候補生の身体検査で引っかかったってことは自衛官候補生は不合格だということです。もうほぼ消化試合の感覚で一般曹の二次試験を受け、最終合格発表を待つわけですが、まあ不合格。健康って大事だね。多少腹が立つが、まあ仕方ないでしょう。これからどうしようか悩む必要はありますが。

 

こうして自衛隊の採用試験に4回連続で落ちました。馬鹿でも受かると言われる自衛隊の採用試験ですが、私のような事例もなくはないということですね。それでは。

 

もし自衛隊の採用試験に落ちてこのブログに辿り着いたのであれば、開示をして何故落ちたのかを明らかにしてみてはいかがでしょうか。

 

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